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僕はこんなことを考えている はてな出張版

運営しているエッセイサイトのはてな出張版です。軽い読み物なのでお茶請け程度にいかがでしょうか?

映画評:愛を読む人 

映画評 うっとり💛恋愛映画

movie.walkerplus.com

 

副題:守らなければならないものがあることが、人を強くするのかもしれない。

エレファントカシマシの歌、「ドビッシャー男」に「武士は食わねど高楊枝」と言う言葉が出てくる。
これは、武士たる者は、例え生活に窮して食事を満足に出来ない状況にあったとしても、満腹を装って楊枝を使う、という意味で、まあ端的な言い回しだと、やせ我慢であろうか。
この言葉は、日本人の精神の高潔さなどの例えとしてよく聞かれるが、この考えのもとは、武士階級の経済に対する無頓着さと深く関係している。
江戸時代、金貸しや商人など、経済活動に従事する人間は、身分制度のヒエラルギーからもわかるように、最低のランクに位置づけられていた。
そもそも武士は金銭を卑しいものとして見る傾向があり、それを扱うものは下賤の民と見ていたのである。
しかし、武士のような綺麗事の多い組織を抱えていたものだから、徳川治世も、5代綱吉の頃には家康が貯めた金銀もそこを付き、財政難が始まっていたようである。<br/>
戦乱の世ならば需要のある武士も、平和の世ならば、ただの木偶にも成りうる。
その内、周りの町人の目から見ると、武士はただ威張っているだけの役たたずと言うことになってしまうので、それではいかんということで、武士の高潔な精神を表すために、このような言葉が生まれたのではないだろうか?

今も若者の中では、パラサイト・シングルと呼ばれる、基礎的生活条件を親に依存している人がいるようだ。
僕なんかは実家が狭く、大学までは行かせてもらったが、それ以降は何となく家に居るなよ的なムードがあって、必然に近い形で家を出てしまったので、あまりはっきり自立したという気持ちはなかったのだが、一人暮らしを始めた頃は、やはり開放感があって、それなりに楽しかったものです。
だけど金銭的な余裕がない人が、社会の中で暮らすのは、やっぱり大変なので、齧れるものはすねでもなんでもかじったほうが良いかなあ、という気はする。気位の高さだけは何もできないので、援助は必要かな、とは思う。
だけど、そんな気位だけ高い人であふれた世の中は、どこかのヨーロッパの国みたいに、ただ働かない社会になってしまうので、市区町村に何人までは、親と同居OKみたいな感じにしてもらうと社会的には助かる。
特に夢を語る若者の場合は、その夢を実現させる企画書みたいなものを上げさせれば、社会に出た時のプレゼンの能力も付く。
なかなかいいアイデアだと思ったが、よく考えればそんな企画書を出す能力があれば、そもそも社会に出ながら夢を叶える努力をするか、と思い、
自分の不明を恥じいるばかりである。

映画「愛を読むひと」は原作がベストセラー小説ということもあり、内容が本当に濃くて、時間を感じずに楽しめる映画だった。
また、この映画で主演のケイト・ウィンスレットは念願のアカデミーに輝いている。
ケイト演じる主人公ハンナは、社会の中で、ただ生きるために行なってきた事に対し、断罪され、刑務所に服役する。
ハンナはただ自分が隠し持つ秘密を守るため、罪に対して不利な供述さえ受け入れてしまう。
映画の中の彼女は、謎に満ち、そして彼女を愛した男は、純粋で、そして切ない。
その男の姿に自らを投影した時、女性の体に溺れた自分や、その女性を特に理由もなく、ただ好きだったことなど、男なら誰しもがあるであろう経験が蘇り、何だか気恥ずかしい気分にもさせられる。
そんな、リアルな感覚が映画の中で臭気を放ち、主人公の若者の中に、自身の記憶を思い起こさせる。
作者はたぶん男なのだと直感で感じた。
ハンナが隠した秘密は、僕の目から見ると、「なんだそんなこと」と思うような事だ。
だけど、それは僕が彼女よりも満たされているからで、彼女の側に立って見たときに、その秘密を死んでも隠さなければいけないという気持ちを、持つのかもしれない。 
それは、武士が金銭に汲々としてでも、仁の心や義を通すため、武芸への鍛錬を日々行い、金銭や欲に頓着する精神に落ちることを避けたがったのと同じように、彼女にとってはどうしても耐え難い秘密だったのかもしれない。

絶対に守らなければならないものがあることが、人を強くするのかもしれない。
映画の中の、彼女を見ると自然にそう思えて、月の給料が上がらないという小さな事に愚痴を言っている自分が、少し恥ずかしくなった。

 

たまには愛も語ります。良ければお越しください。

僕はこんなことを考えている「VIVAMOVIE」 愛を読む人

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