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僕はこんなことを考えている はてな出張版

運営しているエッセイサイトのはてな出張版です。軽い読み物なのでお茶請け程度にいかがでしょうか?

映画評:ブラックスワン 滅びゆくものの美しさ

movie.walkerplus.com

世の中には予期せぬことが起きるものである。
昔友達の会社勤めの女の子から聞いた話なのだが、財布を落としてしまい、来た道を返したが見つからない。
幸か不幸か、財布に免許証などは入っていなかったが、多少のお金が入っていたので、ついてないなあと諦めて会社に来ると、机の上になぜか自分の財布が置いてある。聞くと、近所に住んでいる女性が財布が落ちているのを見つけ、その女の子をよく朝の財布を拾った時間帯に見かけていたことから、この会社の人かもしれないと財布を届けたそうで、まさに奇跡というか、かなり運の良い話である。
何故運が良いと言い切れるかというと、僕は昔スキー場で10万以上入った財布を落としたが、見つからなかった経験があるからである。
ついてない男の経験測は信じられないだろうとネットで調べてみると、イギリスの実験では、落とした財布が帰ってくる確率は42%だそうで、条件として「財布には現金を入れない」というものであったそうなので、きっと現金が入った財布ならばもっと低い結果になるのではないだろうが。
ちなみに一番返却率が高かったのは、赤ちゃんの写真が入っているもので88%が帰ってきたそうなので、よく財布を落とす方は、赤ちゃんの写真を入れておくことをおすすめします。

話は少しだけ変わるが、金融経済用語で「ブラックスワン理論」という言葉がある。
用語としての意味は、確率論や従来からの知識・経験からでは予測できない極端な現象が発生し、その現象が人々に多大な影響を与えることを総称する。
要は白鳥という名前は、白鳥が白しかいないという理論でそう名付けられたのだが、オーストラリアで黒い白鳥が見つかってしまい、白鳥は白だけではでなくなってしまう。
つまり黒い白鳥がいることを知っていれば、誰も白鳥とは名付けないわけで、黒鳥がいて初めて白以外の白鳥が存在することを検証することが出来るわけです。
ブラックスワン理論が象徴するものは、理論は反証は行いやすく、理論で想定できない部分がある以上は、理論の中に不確実な要素を盛り込んでおく必要があるということです。
最初から白鳥なんて名前をつけたら後で困るよって言うことでしょうか?
なので財布を落としても、理論上は返らない可能性が高くてもあきらめないでください。
僕もいつか落とした10万円入の財布が戻ってくることを信じています。(もう10年近く経ちますが・・・)

世の中には不確実なものが多く、その不確実性ゆえに予期せぬこともおきる。
ブラックスワン」はおそらくナタリーポートマンの代表作となるのではなかろうか?
映画でバレエ演劇の「白鳥の湖」の中で踊る彼女は、誰よりも美しく、そして純粋だった。
プリマに選ばれた彼女は、懸命に力尽きるまで踊り、その演技で踊ることへの情熱と執念、そして実際の踊りによる躍動感が十分に感じられた。
同時に彼女の踊ることへの情熱は、儚さにつながる。

ナタリーポートマンの姿は、確実な理論(舞踊)の中にある不確実なもの(精神)を内包した、滅びの美しさを見せてくれる。
不確実性は文化の上では、美しさを纏っているのかもしれない。
それは桜の花の散るのに似て、美しさもあるが、切なくもある。
この映画のような、圧倒的な力を感じる映像を見たとき、僕は嘆息をする。それは恋煩いに似ている。
とても良い映画だと思った。

 

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僕はこんなことを考えている「VIVAMOVIE」ブラックスワン

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